イタリアのスポーツニュースサイトOA Sport ~ il Tempio dello Sport (=スポーツの殿堂)より
女子のグランプリ展望も面白かったので訳します。
フィギュアスケート、グランプリ2018:
アリーナ・ザギトワが首位へのポールポジション、
カロリーナ・コストナーはもはや何個目か分からない珠玉を
ファブリツィオ・テスタ(2018年10月16日)
2018-2019年ISUグランプリシリーズ6大会に参戦するシニアの女子スケーターにとって、今シーズンは特別かつデリケートなものになるだろう。
なぜならロシアの小さな天才達、アレクサンドラ・トゥルソワ、アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワが参戦しない最後の年だからだ。
疑う余地なく、彼女達がシニアに上がれば、ハードルは爆破的に押し上げられ、女子シングルは新たな時代に向かっていくだろう。
すなわち、男子シングル同様、勝利するには3回転ジャンプだけでは不十分になり、4回転ジャンプも必要とする時代がやってくる。
これまでの大会を見る限り、非常なハイレベルなプログラムを滑り、2つの驚異的な試合を実施した五輪女王アリーナ・ザギトワが今シーズンも引き続き議論の余地のないリーダーのようだ。2018年ネーベルホルン杯ではトータルスコア238.43点に達し、ザギトワが洗練された滑りを見せ、芸術性–表現力という点においても飛躍的に上達したことを示した2018年ジャパンオープンではフリープログラムで159.18点を叩き出した。
ブライアン・オーサー門下に移籍したエフゲニア・メドヴェデワは同国のチームメイトに後れを取らないよう試みるだろうが、簡単ではない。
生活と練習環境の劇的な変化はすぐに結果をもたらすわけではない。
しかもオークビルのオータムクラシックインターナショナルで初戦を迎えたオリンピック銀メダリストは身体的にかなり成長したように見受けられ、こうした体形の変化はしばしば幾つかの要素の実施に問題を引き起こす。
いずれにしてもジェーニャは急いではいない。彼女のアキレス腱であるルッツのエッジを少しずつ改善しながら、グランプリ大会で自分の実力を披露しようとするだろう。
ザギトワとメドヴェデワに次いで注目に値するのは、間違いなく日本の選手達だ。
樋口新葉はミラノ世界選手権で感動的なフリープログラムを披露し、既にその価値を見せつけた。
深刻な回転不足問題にもかかわらずもう一人の2位候補だった宮原知子を上回り、銀メダルを獲得した。
日本の選手では坂本花織も忘れてはならない。
昨シーズン、四大陸選手権優勝、平昌オリンピック6位入賞を果たし、既に強烈なインパクトを与えたスケーターだ。
また紀平梨花が新星になるかもしれない。
今シーズン、シニアデビューした選手で、既に3アクセルをコンビネーションでも完全に回り切ることが出来る。ブラチスラヴァのオンドレイ・ネペラ杯では自己ベストの218.16点を叩き出す素晴らしい演技で大会の主役となった。
ロシアのマリア・ソツコワ(素晴らしい才能を持つ選手だがやや安定感に欠ける)、アメリカのグレーシー・ゴールドとブラディー・テネルと共に、カロリーナ・コストナーにももう何年目か分からないグランプリ大会で圧倒的主役になれるチャンスはある。
先シーズンもそうだったように、バンクーバーでのファイナル進出の命運を分ける鍵は競技戦略だ。
昨シーズンは各エレメンツのクオリティに対する地道な取り組みのおかげでファイナルへのチケットを手にした。
ルール改正によって(理論的には)アルト・アーディジェ出身のスケーターの方がライバル達より少し有利になるかもしれない。
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☆今シーズンはジュニアもシニアも女子が面白くなりそうです。
個人的に新葉ちゃんと紀平梨花ちゃんを応援していますが、リーザ・トゥクタミシュワの復活も嬉しい。
15歳にして五輪金メダリストという最高のタイトルを手に入れたにも関わらず、舞い上がることなくストイックに努力と進化を続けるアリーナ(とマサル)にも注目しています。