イタリアフォーラムより「ユヅリーテ達のバルセロナGPF生観戦記(その3)」

今日から全日本ですが空気を読まずに前回の続き
現地観戦組の感想です。

今回はロテッレさんのコメント

 イタリア羽生結弦フォーラムより

 

ロテッレさんのコメント:

みんな、また戻ってきたわ。今日はもう少し理性的になれればと思っているけれど、出来るかどうかは疑問だわ。

男子ショートプログラムのあった木曜日の夜、私はナーバスで凄く不安だった。

私達の席はフラワーガール達のすぐ後ろで、上の方だったけれど、選手達の入口とキス&クライがよく見えた。

リンクから2メートルほどの場所にドクターチームが待機しているのを見た時、私はすごく安心したわ。理由は・・・分かるわよね。

私達の近くの席には、旅行会社の日本人男性(試合の後、会場の外でプラカードを持ってお客さんを待っていたわ)、品のいい日本女性が数人、チェック柄のシャツ、髭、帽子姿のカナダ人男性、リュックに全ての国の国旗を詰め込んだ(そして各選手の演技のたびに、彼らの国の旗を振っていた)イギリス人男性がいた。私達の隣が1席空いていたので、そこに日本の国旗と私のプー達を並べたのよ。

プーの少し先に、エテリ・トゥトベリーゼがガムを噛みながら座っていた。

ユヅルは2つのミステリアスなキャリーバッグを持った2人のボディガード、菊池サン、ブライアン、小林サン、連盟の2人のスタッフに付き添われていた。

ユヅはリンクに入る時、氷をただ触るだけでなく、本当に愛情を込めて撫でているのよ:wub:

ショパンはこの世のものとは思われなかった。

私は多くのスケーター達を生で観てきたわ。プルシェンコは何度も、ヴィクトール・ぺトレンコ(私の青春時代のアイドルよ)、ランビエールなどなど・・・でも生で観るユヅは特別だった。

これほど高難度レベルを傑出した確かな能力で実施しながら、私にモダンバレエに似た何かを彷彿させる芸術性が溢れ出ている。

私の人生で、これに似た感動を味わったのはベジャールのパフォーマンスを劇場で観た時だけだわ。

ショパンが終わった時、旅行会社の日本人男性はプロフェッショナルなカメラを構えて一目散に階段を駆け下りていった。

私も彼の後を追ってフェンスまでは走って行って、私のプーを投げ入れたの。

言うまでもなく、プーはドクターチームの誰かの頭を直撃したけれど、彼は親切にもフラワーガールに渡してくれたわ!

まさに絶叫と投げ入れの嵐だった。

運営スタッフの女の子はとても忍耐強く、私がキス&クライを近くで見ることを許可してくれた。みんなテレビでも見たと思うけれど、ユヅがハビのために静かにするように促し、ハビが感謝を表すジェスチャーをしたわ。だから私達は黙って大人しく自分達の席に戻ったのよ。^_^

当然のことだけれど、私は眠れなかった。翌日、サグラダ・ファミーリアやゴシック地区やランブラス通りやガウディを観光している間もずっと上の空だった。そして会場に戻るのが待ちきれなかった。:woot:

2回見た公式練習も大満足だったわ。

どちらの練習でもユヅはSEIMEIのランスルーを行って、ステップ以外の全ての要素を入れて滑った(私の夫はだからステップシークエンスがレベル4じゃなかったと言っていたわ)。

もし天国が存在するのだとしたら、私はこんな場所を想像するわ。オリンピックまでの4年間における6人の最高のスケーターが彼らのフリープログラムのランスルーを行っていて、あなたも一緒に滑ることが出来る場所。

金曜日の公式練習では、ユヅは最後の1秒まで一人でリンクに残っていた。

まるでこのリンクを一人占めして満喫したいかのように。

土曜日は、セッション終了と同時に、ブライアン・オーサーが彼をリンクサイドに呼び寄せたわ。

ユヅは「one more」と言ったけれど、ブライアンはノーと言った。その時のユヅの拗ねたような表情といったら!面白かったわ。

彼はまだ滑りたかったのよ!:wub:

私には、この時、ユヅがリンクで素晴らしい感覚を得ていたような印象を受けたわ。

そしてこの感覚から私達皆をこれほどかき乱す宇宙的パフォーマンスが生まれるのね。

彼がいい感覚を掴んでいて、それをずっと維持出来ていることが分かって私はすごく幸せだった。だってユヅはきっとこの感覚をこの先何年も、おそらく彼の現役中ずっと持ち続けると思うから。

つまり、フリーでは私はずっと心が落ち着いていたわ。心を奪われていたけれど、安心していた。

表彰式の時、私達は日本人の夫婦と共に表彰台の後ろにいて、彼らの2人の子供達(8歳ぐらい)のために場所を空けてあげたの。子供達は表彰台のユヅを魔法にかけられたようにうっとりと見つめていたわ!

現地に来られなかった人達へ

確かに本当にファンタスティコだった。ユヅはとても美しく、フィギュアスケート史の歴史的瞬間だった。テレビとは全く比べものにならなかった。

でもね

私がバルセロナで驚いたことは、ユヅが、その身体的存在感が、彼の仕草や動作が、顔の表情が、とても身近に懐かしく感じられたことよ。実際に彼を見るのは初めてだというのに・・・

これは何年間もスクリーン越しに彼を凝視し続けてきたせいね。

私は若い頃からペトレンコのファンだったけれど、彼を実際に見たのはトリノ・オリンピックの後のショーだった。カルガリーから20年近く経っていたわ。それでも本当に素晴らしかった。

私はかなり上の方の席に座って、私の正面の、でもとても遠くて薄暗い選手達の入口通路を眺めていたの。

そうしたら通路の奥でジャンプをしている男性の姿が見えたわ。靴でトリプルアクセルを跳んだのよ。その瞬間、私は彼がペトレンコだと確信したわ。だって彼がこんな風にジャンプを陸で試す方法はよく覚えていたから。

こんな話をしたのは、何もユヅを見るために20年待つべきだと言いたい訳ではなくて(現在は以前に比べたらずっと簡単に旅行出来るようになったし)、今後、彼を生で観られるチャンスはいくらでも訪れるでしょうし、ようやくそのチャンスがやってきた時、それまでに蓄積された情熱が一気に湧き上がる感動はファンタスティコだと言いたいの。

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フリーの後、会場の外で私達がどういう展開からか、何故かマウロット(コフトゥン選手)の話で盛り上がっていたら、突然背後から「今、マウロットって言った?」という声が!!

振り返ると目の大きな美しい女性が立っていて、「ということは、あなた達、フォーラムの人?」と言ってきたんです。

それがロテッレさんでした。
私達とは別に、ご主人と一緒に観戦に来ていました。

まさかマウロットのおかげで、フォーラムのメンバーに巡り会うとは!!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu