過去の映像から
2011年、グランプリシリーズ・ロシア大会ロステレコム杯の羽生結弦選手のショートプログラムの実況解説です。
Elena Cさんの動画です
いつも貴重な映像をありがとう!Grazie mille!
実況:マッシミリアーノ・アンベージ
解説:アンジェロ・ドルフィーニ
(演技前)
マ:もう一人のスーパータレントの演技を見よう。
日本の羽生結弦
2シーズン前にジュニアの世界タイトルを獲得した。
並外れた資質を持つスケーター
もう何人目か分からないけれど日本フィギュアスケート界が生んだ非常にハイレベルな選手
ア:そうだね
マ:日本は今では男子でも年々、超一流選手を次々に輩出している。
以前は女子だけだったけれど、いやそれどころか最近は男子の方が優れている。
ア:今現在の日本の男子シングルは非常にハイレベルだ。
僕達はもしかしたら4人の選手がファイナルに進出出来るかもしれないと話していたぐらいだ。
マ:でも最終的に(ファイナルに)出場出来るのは高橋だけになりそうだから、ちょっと残念だったね。
ア:残念だ・・・
織田は文字通り自爆した。
マ:まさに腹切りだ。
ア:その通り(笑)
羽生はここで手持ちのカードで勝負することが出来るけれど、簡単ではない。
マ:アレクサンドル・スクリャービンの曲
だから19世紀末の音楽だ
(演技中)
ア:4トゥループ! 綺麗に決めることが出来なかった!残念ながら・・・
マ:でも回転は認定されるはずだ。もう一度見返していけれど、うん、大丈夫
ア:3アクセル
ア:羽生はスピンの質も素晴らしい
ア:3ルッツ/3トゥループ
(演技終了)
マ:冒頭のミスをよく挽回した。
最終的にジャンプ要素ではこれまでに滑った選手の中で一番高い得点を手にするんじゃない?
ア:この3アクセルは驚異的だ。現在の男子シングルで最も美しい3アクセルの一つだろう。それに踏切る前に一連のステップとチェンジエッジを入れてから、毒気を抜かれるほど簡単に軽々と跳んでいる。
残念なのは4回転ジャンプも彼の得意なジャンプで、これまで綺麗に着氷出来ることを見せてきたけれど、ここでは成功出来なかった。
ステップアウトがあったけれど、その後のリカバリーは見事だった。
ステップから3ルッツ/3トゥループを跳ぶことは彼にとって何の問題もない。
この少年の才能は驚異的だ。
身体が非常に柔らかいから、スピンに難しいポジションを入れることが出来る。
どちらかというとキャメルスピンよりシットスピンの方がいいけれど、いずれにしても非常に質が高い。
それにスピードとスケーティングの滑らかさもね。
マ:僕は彼が滑る時、ブレードで氷をガリガリ引っ掻くことが決してないという記事を読んだ。
これは間違いなく特別な資質だ。
ア:この3アクセルを見てよ
どれほど簡単に跳んでいるか!信じられない
マ:フリープログラムでは彼は後半に跳ぶことに慣れている。
ア:これはルッツの着氷。
彼のルッツの踏切りのエッジは時々ギリギリなことがある。
マ:僕はエッジを確認しているところだ。
ア:そんなにはっきりとは分からないけれど
(ここでアデリーナ・ソトニコワ選手のルッツのエッジについて長々と話しているので中略)
ア:では彼の得点を見よう。
フェルナンデスを上回れるかどうか興味のあるところだ
大幅に上回った!
マ:何と技術点、演技構成点共に中国杯より高い得点だ
ア:彼らもびっくりしているね。
マ:ジャンプでは全選手中1番高い得点を稼いだ。
ア:僕達が話していた通りだ。
僕は彼を気に入っている。
それに技術的にも、スピンだってハイレベルなだけでなく安定している。
資質に溢れている。
マ:というわけだから羽生に賛辞を贈ろう。
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☆このシーズンはロミジュリばかりが注目されていましたが、個人的に「悲愴」も凄くインパクトのあるプログラムでした。
特に手袋がスピンを効果的に演出していて、男子でこんな超絶スピンをする選手がいるのかと衝撃を受けました。
この頃からジャンプだけじゃなくてスピンやスケーティングの質の高さも評価してくれているのが嬉しいですね。