羽生結弦選手の演技の実況解説です。
男子フリーは生中継ではなく、上位5人だけ録画放送されました。
☆エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!💛
実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)
M:羽生結弦は朝の公式練習と6分間練習で絶好調であることを見せつけた
これは彼にとって非常に思い入れのあるプログラム
彼のアイドルの一人、エフゲニー・プルシェンコを思い出させるプログラムだ
Magic stradivariusとArt on Iceの旋律に乗せて滑るけれど、このプログラムは
A:Orginと命名された
エドウィン・マートンの曲だ
M:振付は信頼の厚いシェイリーン・ボーン
2度のオリンピックチャンピオン/2度の世界王者の演技を鑑賞しよう
A:今シーズン、彼は自分のアイドルに捧げる2つのプログラムを選んだ
最初は4ループ
発進は全く良くなかったけれど、熟練した技巧で救った
M:どうやったのかは誰にも分からない
A:でも見てよ
彼も高く跳び上がるのに苦労している
M:やはり氷がおかしいんだ
A:4サルコウ
これは卓越したジャンプだった
A:3ループ
M:何もない所からね
A:何の準備もなかった
完全な不意打ちだ
A:4トゥループ(笑)
これもどうやって救ったのか謎だ
M:君の言う通りだ。
いつものように高く跳び上がれていない
A:だから着氷を救うために膝を深く屈曲しなければならない
さもないとフリーレッグを解くのが間に合わない
次に注目だ
重要なエレメント
4トゥループ、シークエンスで3アクセル!
信じられない!
これは新技だ
M:試合では前人未到のエレメント
今シーズンまで他の選手は思いつきもしなかった技だ
A:練習では通常、彼はもっときれいに決めている
M:彼はこのジャンプでミスをしたことはない
A:3フリップ/3トゥループ
A:3アクセル/オイラー/3サルコウ(笑)
実質、プログラムの最後に
A:最後のエレメントはコンビネーションスピン
(演技終了)
M:氷がどうであろうと、バーを高く保つ。
家で試合を見ているライバル達に分からせた
皆が追うべき男は彼、羽生結弦だ
僕はリンクの状態が最適ではないと確信している。
羽生の演技で確証を得た。
朝のランスルーでは全てのジャンプを軽々と跳んでいた。手をついた4サルコウも含めて
A:ここでは(4サルコウは)綺麗に決まった
M:君の言う通り、全てのジャンプで少しずつ高さが足りなかった。
朝の8時半から午後1時半までの間にジャンプの調子がそんなに変わるわけがない
だから氷の何かがおかしいのは明らかだ
彼はその際立った格の高さで、いずれにしても今シーズンの圧倒的なベストフリーを持ち帰った。
でも他の選手はグランプリの結果に不利な影響を受けた。
コリヤダやジン・ボーヤンがそうだ
A:特にジン・ボーヤンは不運だった
でもコリヤダだってそうだ
M:いきなりTESが下がったけれど
何だろう?
こんなに一気に下がると言うことは回転不足?
4ループかな?
A:さあ・・・そうかもしれない
確かに最初の4ループの着氷はかなり堪えたし、見直さなければならない
僕達も注意しなければならない
というのはルールが変更されて回転不足の判定基準がより厳しくなったからだ
M:コリヤダの話に戻ろう
結弦は多くのジャンプで着氷に苦労したけれど、どの着氷でも戦った
A:彼は戦った
M:持前の膝バネをフル活用して
織田がマエストロの日本の学校のお家芸だ
でも20分前に見たコリヤダは転倒するがままになっていた
A:でもこういう膝を持っていないと、このようなコンディションでジャンプを救うのは不可能だ
そして、こういう着氷が可能なのは僕が知る限り日出る国(日本)の選手だけだ
これが事実だ。彼らはこういう膝バネを持っていて、僕達は織田信成の名前を挙げたけれど、羽生も例外ではない。
そうでなければ不可能だ
(4ループのリプレイ)
A:見てよ、重心が前に行き過ぎている
踏切時にブレードが氷に沈み込んでしまっているように見える
この状況でどうやって立つことが出来たのか僕には分からない
M:ジャンプは別にしても、他の点でも全てが揃っていた。
スピンは修正され、今では非の打ちどころのないクオリティの高さだった
ちなみに彼はスピンの練習はやれと言われてやっと1日に2分ほど行う程度だ。
そして非常に豊かなプログラムだ
最初から最後までずっと何かトランジションが散りばめられている
A:そうだね。
非常に豊かなプログラムだ
ただ正直にいうと、音楽はそれほど彼向きではないと思う
これが例の途方もないシークエンスジャンプ、4トゥループ/3アクセル
驚異的だ
M:これはまたしても歴史に刻み込まれる記録だ
なぜなら彼が史上初めて成功させたジャンプだからだ
いや史上初めて彼が発案し、実施したジャンプだ
A:彼がエキシやショーで跳んでいるのを僕達は何度も見ていた
さっきの話に戻るけれど、これは僕達が羽生に慣れている音楽とは全く異なるジャンルの曲だ。
たぶん僕が見慣れる必要があるんだろうけれど、僕は羽生の特徴である非常にしなやかで滑らかで流れるようなフィギュアスケートにこのような荒々しい音楽はあまり調和していないような気がする。
彼とは逆のタイプの選手、プルシェンコのフィギュアスケートにより適した音楽だと思う。
2人とも圧倒的に規格外の選手だけれど、フィギュアスケートのスタイルと言う点ではおそらくほぼ対照的と言っていい。2人とも完璧主義者で技術面においてフィギュアスケートの歴史に不朽のページを書き加えた。
M:今シーズン最高TESは宇野昌磨の101.75点、今シーズン最高PCSはコリヤダがチャレンジャーシリーズで出した91.50点
僕はどちらも塗り替えると思うけれど見てみよう。
まだ11月初旬だということを考慮すると羽生にとってこれは途方もないパフォーマンスだ
PCSはシーズンベストだ
でも技術点は最初の得点に比べて7点下がった
190.43は今シーズン初めて190点を超えた選手であることを意味している
世界最高得点と呼ぶこともできる
あと少しで300点
今季最高得点にして新ルールでの世界最高得点
盛りだくさんだ
そしてグランプリ9勝目
彼より多いのはヤグディン、プルシェンコ、そしてパトリック・チャンだけだ
A:僅かな名前だ
この競技の絶対的大物の選手ばかりだ
M:彼の優勝は決まったけれど、まだ2位争いは続いている
ブレジナが今の位置を維持出来るか見てみよう
自分用に
プロトコル>>
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☆アンジェロさんはOtonalはショパンを超えるハマりプロだと言っていました。
Originはこれまでの羽生君のイメージとあまりにも違うのでまだ見慣れない感じなのかな?
氷についてですが、前に滑った選手達が抜け/コケを連発し、更に質の高いスケーティングで定評のあるコリヤダ選手がステップシークエンスで2度もつまずいたので、これは氷の表面に何か問題があるのだろうと話していました。
ジャンプで3度転倒したボーヤン選手も、おそらく氷のせいでうまく跳び上がれず、そのために回転の開始が遅れて、着氷までに締めきれずに転倒してしまっていると指摘していました。
女子ショートでミスが多かったのも氷のせいだったのかもしれませんね
そんなコンディションのせいで「ミラノワールドの悪夢再び」という展開の中で、羽生君がリンクに現れて、全てのジャンプを気迫で降り、氷も魔物も制圧していきました!
やはり別の惑星の選手。
今シーズンの彼を見て思うのは、実に恐るべきことですが、これまでに異次元の演技で歴代最高得点を何度も更新し、オリンピック二連覇を成し遂げたにも拘わらず、羽生君はまだ選手としてのピークを迎えていないのではないか
そして彼にはそれが分かっている。
現役続行を決めたのは、勿論4アクセルを成功させたいというのが大きかったと思いますが、彼自身、もっと出来る、自分のポテンシャルはまだまだこんなものではないと感じているからではないでしょうか。
五輪二連覇を達成してプレッシャーやしがらみからある程度解放され、より自由になった彼がこれからどんな風にそのポテンシャルを爆発させていくのか、リアルタイムで見られるのかと思うと身体が震えます。ビックバンの瞬間に立ち会えるとかそういうレベル。