Neveitaliaより「驚異的な2014年に更なる珠玉を追加した羽生結弦、一体誰が彼を止めるのか?」

Neveitaliaに掲載されたバルセロナGPF後の羽生選手特集記事です。

数字に強いマッシミリアーノさんが羽生君がいかに異次元かを詳しく分析しています。
かなりマニアックな記事なので興味のある方は読んでみてください。

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 (2014年12月16日)

原文>>

羽生結弦は主要国際大会のひとつであるGPファイナルにおいて彼のキャリアで4度目となる280点越えを達成し、今季最高得点を叩き出した。五輪王者がGPFバルセロナ大会で獲得した得点は、町田樹がスケートアメリカで獲得したそれまでの今季最高得点269.60点を20点近く上回るものだった。

仙台出身のスーパースターはこの大会でフリープログラムの歴代最高TES(total elements score)を塗り替え、200点の壁を超える最初の選手になれることを証明した。

トリプルルッツの回転不足と転倒で6点近く失ったため、今回はこの野心的な目標は達成されなかった。また、もし2本目のトリプルルッツの代わりに4回転トゥループを予定していたシーズン当初のプログラム構成なら全く別次元の得点に昇華されていたはずだ。

こうして歴代最高得点はカナダのパトリック・チャンの手に留まったが、ブライアン・オーサーの教え子は自己ベストを更新した。

全日本に向けてより良い状態で調整するために日本に戻った羽生は、間近に迫った長野大会について重要な発表をした。

「バルセロナと同じ構成を維持します。脚の状態を考えて無理をしないことにしました。体調が許すようなら全日本の後で元の構成に戻します」

つまり、直前に変更がない限り、全日本のフリープログラムでは4回転トゥループは冒頭の1本で、後半にトリプルルッツをもう1本跳ぶ予定だ。

今のところ健康な羽生に太刀打ちできる選手は見当たらない。

高い技術と芸術性を兼ね備えた日本の二十歳は、より強力なライバル達をも寄せ付けない。僅かなチャンスに望みをかける彼らには些細なミスさえも許されない。

日本の二十歳が持つ今季最高演技の各得点が、彼がいかに異次元かを示している:

 

ショートプログラム

TES 51.11 – 世界のその他 50.91 (テン、ゴールデンスピン)

PCS 44.42 – 世界のその他 44.15 (フェルナンデス、ロステレコム杯)

合計 94.08 – 世界のその他 93.92 (フェルナンデス、ロステレコム杯)

 

フリープログラム

TES 103.30 – 世界のその他 91.74 (無良、スケートカナダ)

PCS 91.78 – 世界のその他 88.42 (町田、スケートアメリカ)

TOTALE 194,08 – 世界のその他175.70 (町田、スケートアメリカ)

 

「世界のその他」(テン、フェルナンデス、無良)の最も高い点数を足し合わせても275.22点で、グランプリファイナルの勝者が出した288.16点に13点近くも及ばない。羽生のこの得点がショートプログラムの演技構成点において中国杯より少し低かったもかかわらずだ(中国杯44.42点に対してGPF43.97点)。

 

ISU主要大会である第20回グランプリファイナルが終わった今、2015年の主要大会に注目が集まるが、羽生は同年にオリンピック、世界選手権、GPファイナルのタイトルを獲得した史上唯一のスケーターとなり、長きに渡って君臨するであろう絶対王者であることを改めて証明してみせた。

 

(その下に歴代得点ランキング、及びこれまでに240点以上、250点以上、260点以上、270点以上の得点を達成した選手のランキング)

 

280点以上

これまでに280点の壁を越えた試合は8度だけである。280点越えを最初に達成したのはパトリック・チャンだ。モスクワで当時の歴代最高得点(280.98点)をマークし、彼にとって最初の世界タイトルを手にした。

カナダの選手は昨シーズン、パリのエリック・ボンパール杯で現在の世界最高得点295.27点、福岡のグランプリファイナルで280.08点を獲得した。280点を超えた2人目の選手は羽生結弦で、これまでに4回280点越えを達成している(2013年グランプリファイナル、オリンピック、2014年世界選手権、2014年グランプリファイナル)。280点に達した最後の選手は羽生のチームメイトである町田樹(2014年世界選手権)だが、チャンと羽生の視線は既に290点越えに向けられていた。

 

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu