マッシミリアーノさんのFBより「2012年10月19日金曜日」

世界に衝撃を与えたスケアメ2012の「パリの散歩道」
あれから10年が経つのですね。
羽生君がいない新シーズンのグランプリシリーズを目前に控え、ノスタルジアを募らせるマッシさんがFBページに動画を投稿していました。

今日からちょうど10年前、羽生結弦は自身の19回の世界最高得点の最初の記録を樹立した。
2022年10月19日金曜日、17歳の日本のチャンピオンはスケートアメリカのショートプログラムで95.07点を叩き出して首位に立った。
この時、彼はゲイリー・ムーアのブルース「パリの散歩道」の旋律に乗せて滑った。ジェフリー・バトルが振り付けた最初のプログラムであり、以来、バトルは羽生の全てのショートプログラムに関わった。
このプログラムで彼は世界最高得点を3度塗り替えた。2014年ソチ・オリンピックでは、史上初めて100点の大台を超えた。
フィギュアスケート史においてマイルストーン以上のプログラムと言えよう。


☆こちらはこの投稿に寄せられたイタリアのスケートファンの皆さんのコメントです。

このショートプログラムは何時でも目の保養になるわ。

彼のフィギュアスケートは別物。完璧な技術は努力と献身によって達成出来るかもしれないけれど(勿論、並外れた才能も必要です)、彼のスケートにはそれだけではない、到達不可能な何かがあるのです。彼はスケートをするために生まれてきた、まさにフィギュアスケートの化身。私達はずっと彼に寄り添います。

彼はフィギュアスケートを変革して新しい道を刻み、誰もが愛さずにはいられない唯一無比のフィギュアスケートを生み出した。性格、忍耐、情熱・・・彼のような人は誰もいない。

このプログラムを見る度に(私のお気に入りのプログラムなのでよく見に行くのよ)、彼はいつも同じスタイルで同じジャンルの曲で滑ると批判した愚か者のことを思い出すのよ

そして10年後、彼は更に進化している。その成熟と自信に溢れた表現は怖いものがあるわ。凄まじいカリスマ性。彼は他の全ての選手の2メートル上にいるわ。

動きの流麗さと調和は何度も何度も見たくなる。他のスケーターとは比較にならない。ジャンプの数や種類で彼を超えられる人はいるかもしれない。でもフィギュアスケートのクオリティでは誰も彼を超えられない。彼のスケートは純粋な芸術。スポーツ、アスリート、パフォーマーの枠を超えた、独創性と個性の男がここにいる。技術と芸術、二つの側面を融合させるのは簡単ではない。羽生結弦はやってのけた。

彼以外は全て退屈・・・これらのプログラムは伝説わ。

彼の試合は何一つ見逃していないと思うわ。どの演技も圧巻。 私にとっては彼がトップ。常に見惑いようのない、並外れたスタイルで滑っていた。彼がいない今シーズンの試合は別のものだわ。ハビエル・フェルナンデスが引退した時、フィギュアスケートは既に重要な主役の一人を失ったけれど・・・羽生結弦がいなくなるとなると・・・

動画を投稿してくれてありがとう。当時、17歳だったのね!ブライアン・オーサーの満足感は途方もないでしょう。生まれながらの神童で、偉大な努力家。彼の黒いシャツは、パリの散歩道の新しい表現を象徴している。

彼は神話と夢と芸術の化身。

今も、私達に魔法と超自然的現象と美をプレゼントし続けてくれる・・・全てが純粋な芸術。

そう、見る度に前より一層賛美させられる。本当に神話。

既に10年も経つのね・・・今も依然として現実離れした素晴らしさ。

途方もないユヅル・・・いつか生で見られることを願っているわ。

彼は夢。

彼のいない新シーズン、どれほど彼が恋しくなることでしょう。

センセーショナル

ユヅは永遠に私達の心の中にいる

何て美しいいスケーター!彼の滑りを鑑賞するのは素晴らしいことだわ。

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☆ニースのロミオで世界中に衝撃を与えた後、羽生君が翌シーズンからトロントのオーサーコーチの元で指導を受けることが発表されました。
新コーチ陣の手によって彼がどんな風に変わったのか、期待でワクワクしながら視聴したスケアメのショートプログラム、冒頭の「上目遣い+ニヤリ」で「あっ、脱皮した!」と思いました😂

まるで蛹が脱皮して蝶になるがごとく
このシーズンは、彼が少年から青年に移行していく過程、二度と繰り返されることのない貴重で儚い瞬間を見ているようでした。
そして私にとっては、ニースのロミオを見て湧き起こった「これはソチ(金メダル)に間に合うかもしれない」という期待が、確信に変わった瞬間でもありました。
しかし、羽生君自身はもっとずっと前から自分の人生計画に「19歳で1個目の五輪金メダル」と記していたのですから、いやはや・・・恐れ入ります。

さて、マッシさんのこの投稿を見て今シーズンのシニアのグランプリが始まろうとしていることに気付きました。ああ、もうそんな時期なのですね。

競技のフィギュアスケートに対する私の関心は、羽生君のプロ転向によって、自分でも驚くほど消失してしまいました・・・
荒川静香さんや村主章枝さんが現役で活躍されていた頃から、フィギュアスケートの特に女子シングルはライトなお茶の間ファンとして世界選手権と全日本とオリンピックぐらいはずっと見ていましたから、ここまで興味が消え失せてしまうとは思っていませんでした・・・

興味を失った理由として、ジュニア時代から注目して応援していた樋口新葉ちゃんと紀平梨花ちゃんが怪我などの身体的問題により低迷してしまったこと、そしてワリエワのドーピング騒動とウクライナ戦争によって、これまでジュニアのロシアカップもライブで見るほど好きだったロシア女子への情熱が一気に冷めてしまったことが挙げられます。

しかし、一番の理由は、羽生結弦のフィギュアスケートを見慣れてしまった今、余りにもレベルが違い過ぎて、他の選手の演技を見る気になれないということです。ウイーンフィルの演奏を一度聴いてしまうと、国内の交響楽団では物足りなくなってしまうのに似ています。

女子は三原舞依ちゃんを応援していますし、ジュニアでも有望な選手達が出てきていますので、これからも見ると思いますが、羽生君を知る以前は4カテゴリーの中で元々最も関心が薄かった男子シングルに関しては、別物だと割り切っても、見ようという気が全く起こらないというのが正直なところです。
それほど、羽生結弦という存在は鮮烈で、彼がこの競技にもたらした変革と進化は凄まじかったのです。
彼の競技引退で、競技フィギュアスケートは以前のレベルに戻りましたが(4回転ジャンプの数や種類という意味ではありません。「技術と芸術の融合」という意味のレベルです)、一度肥えてしまった目と嗜好は元には戻らない。

そしてテニスやサッカーでロジャー・フェデラーがいるから見る、メッシやクリスティアーノ・ロナウドがいるから見る、という層がいるように、羽生結弦がいるからフィギュアスケートを見る、という層が世界中にどのぐらいいるでしょうか?しかも、メジャースポーツのテニスとサッカーと違い、フィギュアスケートでは、羽生結弦を知らなければ、どんなスポーツかも知らなかった、という人が大勢いるのです。
その人達が、羽生結弦の競技引退によって開いた穴を埋めるために、他の選手の試合を見るでしょうか?

これまで、私はアイスショーにはそれほど興味がなく、フィギュアスカートと言えば、競技至上主義でした。試合特有の緊張感、試合の白いリンクにひと際光を放って登場する、研ぎ澄まされたナイフのように容赦のない羽生結弦、殺気がビシビシと伝わってくる6分間練習、会場全体を一つにする臨場感、プーシャワー・・・
羽生君の試合ならでは雰囲気が味わえなくなるのは正直、寂しいです。
しかし、新しいアイスショーについて語る彼の言葉を聞いていると、プロスケーターやアイスショーのこれまでの概念を完全に覆す、全く新しい何かを創造してくれるに違いない、という期待で胸が膨らみます。
横浜公演の初日は11月4日
あと2週間です!!!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu