→RE_PRAY←感想(1)~幻を追う


RE_PRAY世界配信のアーカイブが視聴可能になってから4日。
まだ感想とか考察と呼べるものを書ける段階ではありませんが、とりあえず、感覚的なことを思いつくままに書いてみることにします。それに私、「破滅への使者」にハマってしまって、まだその先へ進めていないんですよ(笑)

最初に、私にはこのアイスストーリーの倫理観や価値観のベースとなっているゲームの知識が全くありませんし、勉強する時間もありません、と開き直っておきます。

しかし、彼のスケート、彼の表現、彼のパフォーマンスは、いつも観る者の感性に直接訴えかけてきますよね。予備知識がなくても何の問題もないということが、今回改めてよく分かりました(勿論、ゲームに詳しい人にしか分からないマニアックなヒントや仕掛けが随所に散りばめられているのかもしれませんが)。

さて、今回のRE_PRAY、私達海外組は、生配信を見た後、10日間もの「お預け」に耐えなければなりませんでした。

これまで、試合の演技でもGIFTを始めとするアイスショー(アイスストーリー)でも、まずリアルタイムで見て感動し、その後、録画や動画を何度も何度も、何度も見返すのが習慣で、これが当たり前だと思っていました。

ところが、RE_PRAYは配信終了と同時に二度と見ることが出来なくなってしまったのです!😱
RE_PRAYなのにどうしてRE_PLAY出来ないの???😭

しかも、新プログラムで使われていた楽曲は、全部私の知らない曲でしたから、脳内で音楽を再生しながら、演技をイメージすることが出来ない!
勿論、使用された楽曲のタイトルは分かっていましたから、YouTubeで探して視聴することは出来ました。しかし、曲自体を既に名曲として認知していたショパンのバラード第1番や序奏とロンドカプリチオーソのようなクラシック音楽や、ロミオとジュリエットやオペラ座の怪人のような聞き慣れた王道の映画音楽と違って、このアイスストーリーで使われていた楽曲は、彼のスケートと共に、突然聴覚に飛び込んできた、全く聞き慣れない、異質なものでしたから、彼のスケート無しで音楽だけを聴いてしまうと、印象が変わってしまいそうな気がして、あえてサウンドトラックを探すことはしませんでした。

ホープ&レガシーやSEIMEIやORIGINも彼のプログラムで初めて聴いた曲でしたが、覚えやすい旋律が含まれていましたから、すぐにその部分が脳内再生されました。一方、RE_PRAYの3つの新プログラムはどれも鼻歌で歌えるような曲ではなかったですよね?

ライブ配信で見た時、私にとって最も鮮烈で衝撃的だったのは「破滅への使者」でした。

冒頭の重厚なパイプオルガン(私は衣装からストラビンスキーの火の鳥だと信じていましたから、いきなり宗教音楽のような重々しいパイプオルガンの和音が始まった時のインパクトは強烈でした)、そのパイプオルガンの和音と同調して威風堂々と実施された4回転サルコウ、激しいステップシークエンスの後、転調を繰り返しながら、激しく上昇していくピアノの旋律に乗せた美しいイナバウアー、連続する不協和音と共に跳びまくる3AEu3SEu3S(後で知ったのですが、このコンビネーションはリカバリーだったんですね)・・・不協和音とシンバルの大音響でフィニッシュ!

私は鳥肌が立ち、身体が震えていました。その後、CLEARの文字が表れ、しかし、データをセーブ出来ず、エラー、という衝撃的な幕切れで前半が終了するわけですが、私はラスボス結弦に完全に魂を持っていかれてしまって、製氷タイムも呆然としていました。

実は私、実は魔王系の羽生結弦が大好きなんですよ。だからORIGINは大好きなプログラムでした。しかも、彼の魔王キャラはただ圧倒的に強いだけでなく、刹那的というか、何か狂気のようなものをはらんでいて、そこにゾクゾクさせられる訳です。

後半は、幻想的で美しいプログラムが続き、ゲームの世界の無情な戦いを表現した前半とは対照的に、祈りと命がテーマで、前半の煩悩を浄化するような内容になっていました。しかし、私はすっかりラスボス結弦の毒気に当てられ、その魔力から抜け出せずにいましたから、生配信では、後半のコンセプトはおそらくちゃんと理解出来ないままに終わった気がします。私には前半の魔王のパワーが強すぎて、後半で浄化出来ませんでした。

そして、アーカイブ配信が開始された11月14日までの10日間は蛇の生殺し状態でした😭
凄いものを見たんだけれど、それが果たして現実だったのか確認出来ない状態。
まず、破滅への使者の曲が思い出せない(そもそも鼻歌で歌えるようなメロディックな部分が殆どなかった)。おぼろげに記憶に残っているパイプオルガンの和音、迫力のあるベース、転調しながら上昇するピアノの旋律、フィニッシュの不協和音を懸命に思い出そうとするも、「こんな感じだった」というイメージしか蘇らず・・・

よく分からない異質の音楽の中で、凄まじいラスボス感で、ジャンプを跳びまくる羽生君のイメージは確かに脳裏に刻み込まれているけれど、その後、見返して確認することが出来ないものだから、「私が見たあれは一体何だったんだ?」と、まるで霧の中で幻を追っているような感覚でした。

だから14日にアーカイブが公開されて、再びRE_PRAYを見ることが出来た時はホッとしました。
「あっ存在した!幻じゃなかった!」みたいな😂
6分間練習からの流れも最高でしたね。6分間練習だとアナウンスしたプロローグやGIFTから一歩前進し、完全にストーリーの一部になっていました。リンクを周回しているだけで美しく、いつでもどこでも、音楽が鳴れば本能的に音と同調して動いてしまう羽生君だからこそ、6分間練習まで立派な演目の一つにしてしまえるわけです。音楽もクレッシェンドし、主人公が強敵との最終決戦に向っていくヒーロー物のアニメか映画のような展開に、見ている側の興奮は否応なく高まります。そしてあの「破滅への使者」ですよ。アーカイブで何度も見返していますが、振付も素敵ですよね。きっと彼自身が振り付けたのでしょうね。

ちなみに、今回披露された新プログラムの中で、私が一番好きだったのはこの破滅への使者、次がエンドロールで流れたプログラムでした。改めて、自分は高難度ジャンプを畳みかけるように次々に決めていく競技仕様の猛々しいプログラムが好きなんだと実感しました😂
でも考えたら私は音楽でも、穏やかな癒し系の曲より激しい曲の方が好きなんですよね。例えばショパンならノクターンやワルツより、革命のエチュードやスケルツォやバラードの方が断然好きです。そして子供の頃から長調より短調の曲の方が好きでした。
でもNotte Stellataとかホープ&レガシーのような人間を超越した超自然的なプログラムも大好きですけどね。

というわけで、「→RE_PRAY←感想」というタイトルを付けておきながら、「破滅への使者」の感想だけで終わってしまいました。アイスストーリーの世界観やコンセプトについてはいずれゆっくり

って・・・アーカイブ世界配信は21日までなんですよ! あと4日しか見れない!😱
時間、足りるかな・・・

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Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu