Corriere della Sera「フィギュアスケートのレジェンド、羽生結弦がGucciの新しいブランドアンバサダー」

イタリア最大の全国紙Corriere della Seraのファッション欄で取り上げられていました!

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2024年3月15日

コスタンツァ・リッツァカーザ・ドルソーニャ

銀座にあるグッチ東京本店のコンテンポラリーアートギャラリーの杮落しとして開催され、世界中からファンが押し寄せたTAKAY氏撮影の写真展の後、数か月前から囁かれていたことだ。そして今、フィギュアスケートのレジェンド、日本の羽生結弦がGUCCIの新しいブランドアンバサダーに起用されたことがついに正式発表された。

本州東北部の仙台出身の29歳は、16歳の時に2万人の命を奪った東日本大震災を生き延びた。19回も世界最高得点を更新した羽生結弦は、歴史最高のフィギュアスケーターとみなされており、度重なる怪我や幼少の頃から患っている重い喘息にもかかわらず、アメリカのディック・バトンが成し遂げたオリンピック2連覇の偉業を、当時よりも遥かに競争の激しい現在のスケート界で再現した唯一のアスリートである。2018年には、「人々に夢と感動を、社会に希望と勇気を与えた」として、当時の総理大臣、安倍晋三から日本最高の栄誉である国民栄誉賞(最年少受賞者)を授与された。

ニジンスキー、ヌレエフ、マヤ・プリセツカヤといった20世紀最高のバレエダンサーとしばしば比較される羽生の特徴は、近年、その原点から遠ざかり、単なるジャンプの競演になりつつあるフィギュアスケートにおいて、卓越した技術と至高の芸術表現を融合出来る氷上の真のダンサーであることだ。彼のファンにはバズ・ラーマン監督やマイケル・ジャクソンの振付師だったトラヴィス・ペインも含まれる(羽生はよくジャクソンとも比較される)。

Googleで最も検索されたアスリートの一人であり、日本の雑誌の表紙を飾り続けている(1年前、グッチをまとって表紙を飾った2冊の『ELLE Japan』は売上記録を更新した)。2022年の北京オリンピック後にプロに転向した羽生は、スケートに様々な形の芸術を融合させ、主演、プロデューサー、共同振付師を務めるアイスショーでアリーナを満員にしている。2023年にはビートルズやマドンナがコンサートを行った日本のスポーツとエンターテインメントの殿堂、東京ドームで、2度目の単独アイスショー『GIFT』が開催され、イタリアでもDisney+で生配信された。この公演では、東京フィルハーモニー交響楽団が羽生が滑る楽曲の演奏を担当した。また、18世紀の日本の浮世絵師、北斎に捧げる展覧会の一環として、羽生のポートレートがアメリカの美術館を巡回している一方で、彼がプロデュースし、2011年の震災の記憶に捧げるアイスショー「羽生結弦 Notte Stellata」(イタリアのグループ、イル・ヴォーロの同名のヒット曲で滑るプログラムにちなんで命名された)の第2回目が先日幕を閉じたばかりである。

ここ数年間、宮城県西根のたんぼアート(数千平方メートルの表面に米で絵を描くアート)は、地域の誇りと希望であるこのスケーターに捧げられ、毎年何万人もの観光客を魅了している。

 現在までに羽生は、300万ドル以上(スケーター個人としては巨額)を日本や世界の復興や様々な人道的活動のために寄付しており、時には自身の持ち物も売却している。

羽生のもうひとつの特徴は、競技時代に日本の文化や魅惑をフィギュアスケートに持ち込んだことである。最初は、幾つかの映画やシリーズの主人公である同名の神秘的な人物、安倍晴明をモチーフにしたプログラム『SEIMEI』で、このプログラムで羽生結弦は自身2度目のオリンピック金メダルを獲得した。最近では16世紀の戦国武将で後に仏門に入った上杉謙信を描いた『天と地と』がある。また、羽生は宮崎駿監督が初めてアカデミー賞を受賞した映画『天と千尋の神隠し』(2001年)の楽曲(久石譲作曲)でも滑っている。

「グッチ・コミュニティーの一員となれたことを心から嬉しく思います」イタリアのテニスプレーヤー、ヤンニク・シナーや中国の俳優で歌手のシャオ・ザンなど、他の著名なグッチのアンバサダーに新たに加わった羽生はこう語っている。「グッチはその長い歴史の中で、ファッションの領域を超えたコラボレーションを育み、優れたクラフツマンシップとクリエイティビティを発揮してきました。共に新しい道を探索出来ることを楽しみにしています」。
@CostanzaRdO

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☆素晴らしい記事ですね!
羽生君の経歴についても詳しく書かれています。
コリエーレ・デッラ・セーラはイタリア最高の発行部数を誇る新聞ですから多くのイタリア人読者に読まれることになるでしょう。
しかもファッション欄ですよ?
これまでにGUCCIのブランドアンバサダーに起用されたアスリートを見ると、サッカーやテニスといったメジャースポーツの選手ばかりです。イタリアを含め世界的にはマイナースポーツであるフィギュアスケートのアスリートが起用されることは異例だと思います。
彼の実績、知名度、世界的人気と影響力、被災地支援の活動、そして清廉で誠実な人間性と万国共通の美貌がGUCCIのお眼鏡にかなった訳です。


彼にはプッシュしてくれる巨大なエージェンシーはついていない。後ろ盾のない個人アスリートがハイブランド中のハイブランドであるGUCCIからアンバサダーとして望まれたのです。
これは本当に凄いことですよ。
この期に及んで彼を叩いている週刊誌は、日本のイメージを下げているだけなので、即効でやめて頂きたいです。私は美容院でも女性週刊誌を勧められたことはなく、週刊誌とは全く無縁の人生を歩んできましたので、どんな人達がこんな低俗雑誌を読んでいるのか知りませんが、悪いけれど無学で下品なオッサンやオバサンしか読まないクズ雑誌、というイメージです。コリエーレ・デラ・セーラのような大手全国紙で大きな記事になり、WWDやVogueのような一流雑誌で取り上げられ、世界中でお祭り騒ぎになっている中、無名の負け犬記者が何を書き散らそうと世界のYuzuru Hanyuはビクともしませんが、自国の英雄を執拗に虐めるメディアの存在は、海外から見たら異常でしかありません。日本人や日本社会の倫理観がおかしいと誤解されかねず、同じ日本人として本当に迷惑しています。

マッシさんもツイート

正しい選択
氷の上でも外でも、エレガンスとスタイル。
イタリアの誇り。

しかし、アンバサダーとしてどんな活動をするのか楽しみですね!
LINEのGUCCIアカウントからも今後の取り組みについてお知らせしていきますというメッセージが!
今後の取り組みってなんだろう?(ワクワク)
イタリアに来てくれないかな~

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu