学会「羽生結弦の革命―フィギュアスケートから新世界へ」を終えて

一昨日は羽生君のプロ転向一周年記念日でした。
ファンだけでなく各方面からも無数の祝福メッセージに溢れ、私も何か投稿しようとしたのですが、パソコンが立ち上がらない😱・・・

半日かかってやってようやくWindowsが開きましたが、そこから全く動かず・・・
色々試してみましたが、無駄に時間が過ぎていくばかりでどうにもならないので諦めました😭
ちなみに、今は夫のPCを使って更新しています。

さて、日曜日に行われたイタリアの羽生ファンが企画した講演会、詳しい内容は字幕付き動画(いつ公開されるか分からないですが)をお待ち頂くとして、個人的な雑感を少し書きますね。

とにかく想像を超える講演会でした!「羽生結弦」というテーマを、スポーツ、ダンス、歌舞伎、舞台芸術、そして東北との絆といった様々な観点から掘り下げるという趣旨の講演会で、内容のレベル的に学会に近かったです。

専門家でもあるファンが、それぞれの専門分野から熱いファントークを繰り広げる会になるのかな、という私と想像とは全く異なり、もっとずっと真面目で(笑)、アカデミックな会でした。

会場となったのはミラノ財団所有のアウディトリウム・ラトゥーダというホール。普段は室内楽などのコンサートが行われる音楽ホールで、講演会やセミナーなども開催されています。

ミラノ中心街、ドゥオーモ広場から徒歩15分ほどの場所にあり、学生時代、この少し先の通りに住んでいましたから、私にとっては庭のような地区です(懐かしい)。

会場に向かう道すがら、イタリア本家にも展覧会「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS」が来ることを祈願して、ガレリア・ヴィットリア・エマヌエーレII内にあるGucciミラノ店をパチリ

本店のあるフィレンツェにGucciミュージアムのようなスペースがありますので、是非そこで開催して欲しいです!

講演が始まる前にマッシさんとお話しすることが出来ましたが、「チャオー」と挨拶した後、開口一番が「僕は怒ってる!もの凄く怒っている。だから今日はキツイことを言うよ」😱

私のようなファンは、羽生君が競技から去った後、彼と共に競技から去り、ISUの試合はもはや殆ど見なくなりましたが、解説者として、ジャーナリストとしてフィギュアスケート競技に関わり続けるマッシさんは、理不尽な採点で羽生結弦を苦しめ、競技から去らせたISUと、自国の選手を守るどころか一緒になって迫害した日本スケ連を許せず、今でもぶっちぎりで世界最強・最高のスケーターが、まだ全くピークを過ぎていないにも拘わらず、競技を去らねばなかったことを未だに受け入れられずにいることがよく分かりました😭

講演会では日本のエッセイスト、太田龍子さんの寄稿も朗読されました。

19世紀から20世紀初頭の、いわゆる近代文学が好きな私は、文章によってまるで泉鏡花文学のような幻想的で神秘的な世界観を生み出すことの出来る龍子さんのエッセイのファンで、ブログに彼女のエッセイのリンクを貼らせて頂いたのがきっかけで、時々メールをやり取りするようになりました。

そして、ナポリでのマッシさん講演以来、すっかり仲良しになった日本文化協会「L’ALTRO GIAPPONE」のバルバラ・ワシンプスさんに龍子さんのエッセイのリンクを送ったところ、日本文学に精通している彼女はいたく感動し、協会のウェブサイトで羽生結弦と上杉謙信の特集を組むので、そこで龍子さんのエッセイ、遥かに上がるや雲の羽風  羽生結弦の「天と地と」をイタリア語に訳して掲載させてもらえないか頼んで欲しいと言われました。龍子さんはすぐに快諾して下さいましたが、彼女の繊細な言葉の綾や微妙なニュアンス、能楽のコトバや独特の比喩をイタリア人が果たして理解して的確に訳せるものだろうか、という懸念は正直ありました。しかし、バルバラさんから出来上がった翻訳をチェックして欲しいと見せてもらった時、感嘆と共にそんな懸念は一気に吹き飛びました。日本文学研究者の方が無償で訳して下さったそうですが、本当に見事な翻訳でした。

YUZURU HANYU | SPECIALE ‘TEN TO CHI TO’

原文に感動し、訳文に感動しました。一つの作品を2つの異なる言語で読み、二度感動したのは初めての体験です。今回の寄稿も、あまり時間がなかったにも拘わらず、見事に翻訳されていました。

内なる宇宙からの旅立ち
羽生結弦の「プロローグ」
太田龍子

講演会翌日の月曜日には、そのバルバラさんとミラノ中央駅の傍のカフェでお茶をしました。
そして、このカフェの人気ドリンク、アイスティーYUZUを飲みながら講演会開催の経緯や今後の計画を色々伺いました。

バルバラさんの話では、当初はディズニープラスで世界配信が始まる14日に映画館を借りて、ライブビューイングを上映する計画だったそうです。しかし、ディズニーには別の場所での「GIFT」上映を許可する権利がなく、許可を得られなかったため、世界配信から2日後の16日にトークのみのイベントを開催することになりました。

いつもイタリア解説の動画を投稿して下さるエレナさんを初めとするイタリアのファングループが全てを企画し、イタリアだけでなくヨーロッパ中のファンから開催資金のためのカンパが集まり、実現することが出来たそうです。

そして今回開催してみて、彼女が実感したことは

3時間では全く足りなかった

実際は3時間半になりましたが、それでも全く足りませんでした😅

更に驚くべきことに、今回の企画は彼女達にとってほんのプロローグに過ぎないのだそうです。
彼女達の次なる計画は、スポーツ界だけでなく、イタリアの舞台芸術や映画界の権威も招き、新しいジャンルのパフォーミングアート「羽生結弦」を様々な角度からアプローチする2日間に渡るシンボジウムを大学の講堂で開くことだそうです。

あまりにもスケールの大きな応援の形と構想にクラクラしていますが、彼らなら実現出来るでしょう。何しろ舞台芸術の世界から学界、メディア、エンタメ界に至るまで、イタリアのファンの人脈の広さは驚異的で、そもそも彼ら自身も錚々たる人物なのです。

バルバラさんは、次のシンボジウムではイタリア映画界の巨匠も巻き込みたいと言っていましたが、「ムーランルージュ」や「ロミオ+ジュリエット」で有名な映画監督バズ・ラーマンが、実は羽生結弦の大ファンだったことがインタビューで明らかになり、話題になっていますね。

プロ転向から僅か数か月後に、いきなり東京ドームでの単独公演で私達が想像していたスケールを遥かに超えてしまったように、彼ならフィギュアスケート映画でハリウッドデビュー、というのもあり得るかもしれません。
もし映画監督が「GIFT」を見たら、羽生結弦に無限の可能性を見出すのでしょう。修正の利かないライブで、3時間のアイスストーリーをたった一人で滑り切り、あれほど壮大で感動的なドラマを生み出す出来るのです。そしてライブで撮影されたものは、映像作品の最高傑作になりました。
数日に分けて撮影が可能な映像作品なら・・・一体どんなものが出来上がるのでしょうか・・・

ファンの期待と妄想は果てしなく広がります・・・

2日遅れになりましたが

羽生結弦様
プロ転向一周年おめでとう。
この一年間、あなたの新しい旅路を一緒に追いかけることは、私達ファンにとって、今まで想像もしなかった新世界を発見する旅でした。
どうか健康で、己の信じる道を爆進し続けてください。
あなたの存在とあなたが生み出す芸術に心から感謝しています

 

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☆本ページにはプロモーションが含まれています

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu